□『巨男の話』
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巨男とお母さんの住んでいたところはここからたいへん遠くのある森の中でした。
巨男のお母さんはおそろしい魔女でした。
ほら鷲のような高い鼻や、蛇のような鋭い眼を持ったあのおそろしい魔女でした。
それはあるお月夜のことでしたよ。
魔女と巨男がねむりについたころ、だれか家の外から戸をたたきました。
巨男が起きていって戸をあけてみると、ふたりの女が、ひとりの少女をつれて立っていたのです。
「この方は、この国の王女様です。私たちは侍女なんです。今日、森へ遊びにお姫様をおつれ申しましたところ、道にまよってとうとうここへきてしまいました。どうか、今晩だけ宿をかしてください。」
とひとりの女がいいました。
すると、奥から、
「どうぞ、むさいところですが、ゆっくり休んでください。」
と魔女がやさしい声でいいました。
そこで三人は、中へはいって休みました。