□うし飼、うま飼
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その後まもなく、その播磨の国へ、山部連小楯という人が国造になって行きました。
するとその地方の志自牟という者が新築したおうちでお酒盛をしました。
そのとき小楯をはじめ、よばれた人たちも、お酒がまわるにつれて、みんなで代わる代わる立って舞を舞いました。
しまいにはかまどのそばで火をたいていたきょうだい二人の火たきの子供にも舞えと言いました。
すると弟のほうの子は、兄の子に向かって、おまえさきにお舞いと言いました。
兄は弟に向かって、おまえから舞えと言いました。
みんなは、そんないやしい小やっこどもが、人なみに、もっともらしくゆずり合うのをおもしろがって、やんやと笑いました。
そのうちに、とうとう兄のほうがさきに舞いました。
弟はそのあとに舞い出そうとするときに、まず大声でつぎのような歌を歌って自分たちきょうだいの身の上をうちあけました。