□朝鮮征伐
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そして、宿禰が再びお祭場に坐って、改めて神さまのお告げをお祈り申しました。
すると神さまからは、この前おっしゃった西の国のことについて、同じようなおおせがありました。
「それからこの日本の国は、今、皇后のお腹にいらっしゃるお子がお治めになるべきものだ」
とおっしゃいました。
皇后は、そのときちょうどお身重でいらっしゃいました。
宿禰はそのおおせを聞いて、
「では、恐れながら、今、皇后のお腹においでになりますお子さまは、男のお子さまと女のお子さまと、どちらでいらっしゃりましょう」
とうかがいますと、
「お子はご男子である」
とお告げになりました。
宿禰はなお、すべてのことをうかがっておこうと思いまして、
「まことにおそれいりますが、かようにいちいちお告げを下さいますあなたさまは、どなたさまでいらっしゃいますか。どうぞお名まえをおあかしくださいまし」
と申しあげました。