DMC

□ストサン
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***




「腹減った。」

「だったら道端の草でも食ってろ。」

何だよ、バージルのいけずぅ。とダンテは頬を膨らませた。
しかし依然、バージルは本に目を落としたまま。
それに耐えられなかったダンテは眉間に皺を寄せながら二階の自室へと戻っていった。

「はぁ…」

一階に残ったバージルは溜息をついた。
どうやって弟と接すればいいのかわからないバージルは、このような事があるたびに脳をフル回転させる。
しかしいつも答えにはたどり着かない。
仕方ない、とでも言うようにバージルは本を閉じて身支度を始める。
今晩の食事の材料を買いに行くのだ。
誰もいない一階に向かって買い物に行ってくる。と言ってバージルは事務所をでた。




***




一人事務所に残されたダンテはバージルが買い物に行ったと同時に部屋から飛び出る。
内心どっきどきだ。
今回こそは自分の前から消えてしまうんじゃないか。
そればかりが頭を過ぎる。
今までにも何回かバージル失踪事件はあった。しかもダンテと喧嘩した日ばかりに。
そのせいでダンテはいつもバージルを本気で帰ってくるのを願うばかりなのだ。
だから大人しく一階のソファーに座って玄関を見つめている。


――――…がちゃり


玄関が静かに開く。
その音にびくりと肩を震わせるダンテ。
玄関にはバージルの姿。
両手には沢山のビニール袋。

「……。」

バージルは無言で台所へと向かう。

「(やっぱ、まだ怒ってるよな…)」

ダンテはがくり、とうなだれた。
が、すぐに目を見開き台所へと向かう。
そこにあったのはストロベリーサンデーの材料と、ピザを作るための材料だった。

「…………今回、だけだからな。」

「バー…ジル……。」



【ストサン】

(なんだかんだ言って優しいもんな。俺のお兄様は)

「そんな事考えていると夕食もストロベリーサンデーも抜きだからな。」

「それは勘弁!バージルの食事は食いてぇもん!」

「…………(真顔で言うな)」

「?」







………Fin




:)20091013

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