Main ‐海猫‐
□第×回目の盤 ‐序章‐
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「あ、嘉音君!」
朱志香が、遠くで作業していた嘉音君に気づいて声を掛けた。
第一の盤と違って、何も落とすことがなくて、よかったぜ。
「戦人は会うの始めてだよな
彼は、うちに勤めて3年目になる、使用人の嘉音君」
「俺は右代宮 戦人
よろしくな!」
「…始めまして
使用人の嘉音と申します」
「戦人君、雲行きが怪しくなってきたから、急いでゲストハウスに向かおう」
譲治兄貴の言うとうり、上をみると、空が雲で覆われていた。
「そうだな…
じゃあまたな、嘉音君」
「…はい」
― ― ― ― ― ―
「そういや兄貴」
「なんだい、戦人君」
ゲストハウスに着いた俺らは、休憩も兼ねて話していた。
「紗音ちゃんと結婚はしないのかよ?」
「「えっ!!??」」
兄貴だけでなく、朱志香にまで驚かれたよ…。
「な、な、な、なんで紗音ちゃんなんだい!!!」
「戦人! いつ気づいてたんだ!?」
「……朱志香…
それ、普通にばらしてるのと同じになるぜ…」
「あ…」
「そんで、なんで知ってるかって?
答えは一つ!
俺が天才だからなのだよ!」
――コンコン
「…失礼致します
お食事のご用意ができました…」
「お! ナイスタイミング!!
入ってくれ! 紗音ちゃん!」
「はい
失礼致します」
――カチャ