Main ‐海猫‐
□第×回目の盤 ‐序章‐
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――ガチャ
「うー 着いた!」
気付けば、船の揺れは止まっていた。
「真里亞ちゃん、ありがとう
知らせに来てくれたんだね」
「真里亞は偉いぜ」
「うー!」
船の揺れが止まったのにも気づかないぐらいだから、相当スピード下げてていたのだろう。
「戦人君、降りるよ」
「早くしないと置いてくぜ」
……はぁ
とりあえず、頑張るしかないか。
ベアトには、後で散々文句を言ってやる。
「今行く!」
― ― ― ― ― ―
「あら戦人君、もう大丈夫なの?」
船から降りると、霧江さんから話し掛けられた。
「えぇ もう大丈夫です
このとうり、ピンピンしてますよ!」
右手に力こぶをつくりながら言った。
…あまり無いのが、少し悲しいぜ…
「―クスッ
そう、良かった」
笑われた!
…いや、違う意味で笑ってるのはわかってんだけど、やっぱりショックだぜ……
「おぉい!
もう行くぜ!」
朱志香が手を口にあてながら、こちらに向かって叫んできた。
ふと、そっちを見ると、いつの間にか皆歩き出していて、結構な距離があいていた。
「あら、私たちも急ぎましょうか」
「そうっすね」
― ― ― ― ― ―