□dreamily
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 消えて行く、消えて行く。

 一瞬前まで確かに触れていたはずの君が―――、





 “好き”だけじゃ時間はとめられない事、誰よりも理解ってたのに。
 哀しみが待ってる事知ってたなら、最初から逃げ出してしまえば良かったのに。
 また今日も君の影が揺れ、
 僕の手は宙を掻く。

「…………っ!!!!」

 目を見開いて布団から跳び起きる。窓からは、いつものように柔らかい陽光が射していた。
 汗をかいた身体。心臓はまだ早鐘のように激しく鼓動している。

「……またか―――……」

 自分の両手を握り締めながらこう呟くのも、今朝が初めてじゃない。
 たかが夢じゃないか。
 いつかの僕なら、いとも簡単にそう思えていたのに―――……。






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