君とともに

□君へプレゼント
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「おっし!着いたぞ…って大丈夫か?」


「……」














自分が進行方向を見ることが出来ないせいか、後ろに乗るのは何回乗っても慣れない。


電車や車は別に大丈夫なんだが…















「ここ…山?真っ暗」


「来たことあるか?」


「ない」


「そっか良かった」












キッドは微笑み***に背を向けて屈んだ





「ん」


「は?」


「おんぶ」


「イヤイヤ歩けるし」


「山道だから足に負担かかるだろ?」


「重い」


「さっき抱えたけど軽すぎ」


「セクハラ」


「何とでも」











どう言い返してもさらに言い返す…

セクハラと言われて否定しないのかコイツ








「早く乗れすぐ着くから」


「…失礼」












背中に乗り肩に手を置いた
ゆっくりとキッドは立ち上がり山道を登る





「おんぶは恐く無いんだな?」


「速くないし」


「ん?じゃあジェットコースターは?」


「あれは大丈夫」


「なんだそれ」











顔は見えないけど
きっとバカにして
笑ってるんだろう






「あ、」


「どうした?」


「俺が良いって言うまで目瞑ってろ」


「何で」


「お楽しみ」


「変なとこに連れて行かないでよ」


「そこまで飢えてない」


「女の敵…」


「何とでも」











本日二回目
大人しく目を瞑る

キッドが土を蹴る音
お互いの息
木々が風で揺れ葉が擦れる音
自分の心臓の音…

情報が少なく期待と不安が入り混じる










「っ…下ろすぞ、目は開けるなよ」


「はいはい」









トンッと地面に足を着けキッドに手を引かれて少し歩く


止まったかと思うとキッドの手が目の上に置かれた



「まだ?」


「良いよ」


「手退けて」


「悪ぃ…俺からの」


「…」
















ずっと目を瞑っていたため目がなかなか慣れなかったが……これは?





「…ねぇ」


「ん?」


「夜景かと思って期待してたのに何?」
















目の前に広がるのは街頭がちらほら点いている景色




「ばーか!こっち」


「え?」













キッドは上を指差す






























「…っ!」














上を見上げるとキラキラの星達が空いっぱいに散らばっていた

あまりの迫力に***は言葉が出なかった




「すげぇだろ?」


「何であっちには無いの?」


「俺が知るわけねぇーだろ…で感想は?」


「言葉にできるかバーカ!…凄く綺麗だよ…ありがとう」







キッドを見て微笑んだ



「おっおう////」


「え?照れてますか?」


「バカっ!んなわけねぇーだろ!!」


「ふーん…」















また空を見上げる


この街にもまだこんなに綺麗な所がのこっていたのか…




しばらく***は星を眺めていた













「ヘックシ!」


「悪い…寒かったな」


「別に」


「じゃあ帰るか」











***の頭をポンポンとして屈んだ

***も大人しく背中に乗った











「「……」」









気まずい…








「「あのさ、」」


「ごめん、先どうぞ」


「いや、お前から言えよ」












「…あのさ、また連れて行ってくれない?」


「あぁ。…っえ!?/////」



キッドは驚いて立ち止まった




「ばか///違っ…そうじゃなくて…」






もー!こんなはずじゃ無かったのに!何か調子狂う…





「みっ道!…道覚えて無いからさ、また連れてってよ」


「あぁ。また2人で行こうな」


「えっ//…うん」


「/////」











君へプレゼント
     そして約束



顔が見えなくて良かった…
きっと暗闇でも分かるくらい
真っ赤





次、あんたの番
何が?
何か言いかけたじゃん
(お前と一緒なんて言えるか…)


――――――――

キッド君勇気出しました






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