短編
□結局繰り返し
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【好き】が溢れてく――――
零れていく…―――――
流れてく…――――――
落ちていく…―――――
沈んでいく……
「ねぇ今日は朝も一緒にいられる?」
……これで何回目だろう?この言葉は彼に届いているのだろうか…
「あぁ」
「そう…」
嘘つき。いつも私が目を覚ませば隣には1人分のスペースが空いた冷たいベット。
あたしだけじゃないんでしょ?どんなに自分の香水で紛らわせてもダメ。女の独占欲を甘くみないでちょうだい。女は必死で自分の存在をアピールするの。この人は渡さない、私のよ。って…
「とか言いながら朝になったら居なくなるんでしょ?」
「まさか…俺はお前しか必要じゃない。お前じゃなきゃ足りない。」
「ふふっ…大好きよキッド」
唇が触れる…何もかもが満たされていく。貴方に対する【好き】が止まらない。溢れ出る。
「…もう寝ろ。疲れただろ?」
「まだ起きていたい…」
「無理は良くないぜ?俺の大切な女だからな…」
「もう!ほかの子にも言ってるんでしょ?」
グッと引き寄せ囁く―――――
「お前は俺の特別だ」
あぁ―――――ダメだ。この言葉で許してしまう…あなたの言葉に酔い溺れたいの…結局私も都合のいい相手。貴方が暇になったらそれを満たすのが私の役目。決して束縛なんかしない。貴方は自由が一番似合ってるから…
「キッド」
「あ?」
「好き」
「あぁ…わかったから寝ろ。朝もいるから安心して寝ろ」
「ん…」
結局繰り返し
貴方のいなくなった朝
私はあと何回泣けばいい?