他部屋
□恋情センチメンタル
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いつか全てが終わっても
僕はあなたを好きでいる。
-恋情センチメンタル-
何だろう。この違和感は。
何だろう。この守護感は。
何だろう。このえもいわれぬ感覚──
全てに答えをくれたのは、彼と、小夜姉ちゃん。
『リク、君は小夜のシュヴァリエになった』
信じられないであろう言葉は、彼の口から発せられたことによって結構な説得力を生んだ。
俯いたまま顔を歪める小夜姉ちゃんに対する感覚も、違うことに納得がいく。
只、カイ兄ちゃんとの体温差が悲しい気もしたけれど、僕はきっとこれで彼と、小夜姉ちゃんと、同じ痛みが分かるようになったんだと…思う。
だったら、それでいいと思う。
僕はずっと二人の痛みを知ることを渇望していたから。
僕はずっと彼と同じ立場に上がることを切望していたから。
この気持ちをなんて呼ぶのかは知らなかったけど、この気持ちだけは確かだから。
たとえ、自分が世間から隔離される身であろうと、怖くない。
はっきりと、分かる。僕は嬉しいんだ。でも、そう言っても小夜姉ちゃんは悲しそうに眉を寄せるだけだった。