記念
□今日も明日も明後日も
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「…んふふ、寂しかったかな?」
雛森は濡れる俺の髪をくしゃり。
「ちげぇよ、これは雛森が可愛すぎるのが悪い…。」
日番谷くんのが可愛いよ、なんて声が耳を掠めて。
甘えているように見られたことに羞恥。
「こういう所が好き。」
完璧に上手な桃に唸れば…。
あぁ、そうだ。
うっかり流されちまいそうだった。
「…桃。」
「あっ、まだひなもっ……、んっ…は…。」
声色を低くして、桃の口をふさいだ。
こんなにも寒いのは…全部桃が悪ぃんだから。
「お誘いあっただろ?…温めろよ。」
いつもは置いてあるパジャマがいないとき。
それが桃からの誘いなのだ。
つまり、俺は現在タオルを巻いただけの裸に近い状態だったわけで…。
いつの間にか言葉なしに通じちまうんだなと頬を緩め、桃に溺れる。
「…桃、結婚してくれてありがとう。」
「シロちゃん…大好きだょ。」
「俺は愛してる。」
ふわりと微笑む桃に身を委ねて…。
また今年も思うんだ。
来年も昔ごっこに付き合ってあげようと。
君を愛し続けようと。
そして心に強く誓う。
『いつまでも…僕は君を守り続ける。』