記念
□可愛い奴ほど…
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2月14日…聖なるバレンタイン。
十番隊隊長日番谷冬獅郎は目の前にいる己の恋人。
五番隊副隊長雛森桃を見上げ、妖しげに微笑んだ。
(可愛い奴ほど…)
「ほら、はやくしろよ。」
日番谷のその言葉にうぅと雛森は小さな抵抗の為の唸り声をあげた。
それもその筈。
現在の二人の状況は巨大な隊長用のいすに日番谷が腰掛け、
上から股がった雛森が自分で作ったのであろうチョコレートの欠片を…
口に加えている。
おそらく"食べさせろ"ということなのであろう。
絡み合った二人の視線がそれを裏付けていた。
「無理だよ…日番谷君…。」
恥ずかしいもんと続いた言葉。
俺から逃げられないことなんて桃が一番わかってんだろ!?
のかわりに瞼へと口付けを贈り、
早く、と急かすように赤く染まった雛森の頬を捕らえた日番谷。
その行動に覚悟を決めたのか、溶けかけたチョコレートを雛森がしっかりとくわえた。