記念
□甘えん坊なブレイクタイム
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真夜中の執務室。
長時間の残業に、はぁと大きな溜め息をついた日番谷。
既に時計の針は1時を示す。
以上なほどに重たい瞼。
仕方ねぇ…明日にするか…。
と、己の限界を察すれば、力を振り絞った瞬歩で自室へと向かった。
寝室の襖を開けば多忙で敷いたままの布団。
ここ1週間ひたすら仕事に追われている為、布団さえが恋しく思えた。
全てはあの副官の仕業なのだが、
前から承知のはずだろ!?
と己をなだめ、耐えているここ一週間。
仕事が辛いのであろう。
それはわかりきっている。
そう、辛いと感じるのはそれではない。
「桃…」
布団にくるまり瞳を閉じれば、無意識に彼女を求めてしまう。
そう日番谷が辛いのは雛森に会えない事実。
眠気よりも雛森に会いたい衝動が募るばかりで…。
「会いてぇ…。」
自分にしか聞こえないような小さな声で呟いた。