記念
□例えばこんな世界の誕生日
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そして…二つの世界を覗いている僕がいるのは…
君無い世界。
これは、俺が熱を出して、あの任務にたまたま赴いたのが雛森で。
彼女が亡くなり…。
後の虚との戦いで、パラレルワールドを覗ける能力を植え付けられた10年後の12月20日。
俺の日常は変わらず歩みを進める。
この日だけは、どうしても世界を覗いてしまうのだ。
彼女に会いたい一心で。
if…if。
未知数の未来からこの世界に佇む俺。
この世界の俺は不幸だ、そう思う時もあるんだ。
けれど、パラレルワールドを覗く度に思うこと。
どの世界でも俺は桃を愛していたんだ。
どの世界でも俺は桃に愛されていたんだ。
その事実がただただ嬉しいんだ。
だから…俺は今日も歩む。
雛森の愛を深く感じながら。
あぁ、どんな世界でも僕達は繋がっている。
君と繋がっているならば…今年も生まれたことに感謝しよう。
愛をくれる彼女を感じる君無い世界
『何時でも何処でも何があっても…君を愛すとここに誓うよ。』