記念

□例えばこんな世界の誕生日
3ページ/4ページ









そして…二つの世界を覗いている僕がいるのは…




君無い世界。



これは、俺が熱を出して、あの任務にたまたま赴いたのが雛森で。

彼女が亡くなり…。


後の虚との戦いで、パラレルワールドを覗ける能力を植え付けられた10年後の12月20日。





俺の日常は変わらず歩みを進める。


この日だけは、どうしても世界を覗いてしまうのだ。





彼女に会いたい一心で。



if…if。


未知数の未来からこの世界に佇む俺。




この世界の俺は不幸だ、そう思う時もあるんだ。




けれど、パラレルワールドを覗く度に思うこと。



どの世界でも俺は桃を愛していたんだ。

どの世界でも俺は桃に愛されていたんだ。




その事実がただただ嬉しいんだ。




だから…俺は今日も歩む。

雛森の愛を深く感じながら。





あぁ、どんな世界でも僕達は繋がっている。




君と繋がっているならば…今年も生まれたことに感謝しよう。







愛をくれる彼女を感じる君無い世界







『何時でも何処でも何があっても…君を愛すとここに誓うよ。』
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ