タユタ
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ひとつ、深いところから泡が浮かぶ。それは軽い音を立て弾け、そこから光がふわりと広がる。
そうすると辺りは少し明るくなって、見渡して見れば同じような泡が幾つも浮かび漂っている。
その大小様々な泡が浮かぶここは正しく幻想的で、触れようとするとそれは頭上高く昇っていく。ひとつ昇っていくとその他も後を追いどんどん遠くなった。
それに手を伸ばせば、私の身体も宙に浮く。そうして私も沢山の泡のように高く浮かび上がっていった。
向かった先は眩しい光に包まれている。浮かぶ泡、光。
身体とともに意識も浮かび上がっていくような感覚に陥り、光の中心に吸い込まれる瞬間、私の中で何かが弾けた。
それは懐かしい光。恋い焦がれた、眩し過ぎる程の光。