INZM

□桜色の空
2ページ/3ページ

「桜は別れの象徴」

そうと知ったのは小学生の時。
知りたくなかった…。
だって…
その言葉のお陰で…
綺麗だった桜の色が濁って見えて…
散っていく花びらが涙に見えてしまうから…。

「半田、何か悲しそう」

「そんな事ねーよ」

恋人のマックスが心配そうにそう言ってくる。
まだオレ達は卒業しない。
でも…クラスが離れる可能性はある。
嫌だ、イヤだ、イヤダ。

でも、言いたくない。
アイツに言うと「そんなの関係ないよ」と流されるだろう。
アイツにとってはそうかもしれない。
でも、オレは嫌だ。
離れることが怖いくらい、オレは――


――オレはアイツに、依存しているのだから。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ