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□神様、僕に…
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――好き

――大好き

――愛してる

恋人なら、軽いノリでこんなことを言うのだろう。
でも、僕らは違う。

「豪炎寺くん、だぁいすきっ」

「嗚呼、知ってる」

「豪炎寺くんっ」


「大好き」

「俺もだ。愛してる」


これらは皆、僕の理想に過ぎない。
軽々しく言われると、あまり重みを感じないけど…でも。
言ってくれないと、不安になる。
僕から言えばいいのかもしれない。
でも…それは、恥ずかしいよぉ…。
それに…
最近、豪炎寺くんは虎丸くんと一緒だ。
それに、前に、虎丸くんに言われたんだ。

――豪炎寺さんは渡しません――

その時は、冗談だと思った。
でも…彼は本気だ。
本気で豪炎寺くんを僕から奪うつもりだ…
不安になって、モヤモヤした気持ちを抱え込んで懺悔する。
豪炎寺くんを見ると、大抵虎丸くんと一緒。

本当ニ豪炎寺クンハ僕ガ好キ、ナノ――?

いつもこんな日々を繰り返して。
「光」はあるのか、と疑問を抱き。
それでも、確かな明日が来る。

気が付いたら、君の事ばかり考えていた。
こんなに好きなのに。
なのに。
君はまた、遠くへ行ってしまうの――?

ねぇ、神様。
もし、聞こえてるなら。

「    」

聞こえてるなら。

素直に気持ちを伝えられない僕に、

僕に、強さを下さい。
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