INZM

□サヨウナラ
1ページ/2ページ

なにがあっても、この先、
ずっとうまくやっていける自信があった。
半田と一緒に、楽しく過ごせると思ったんだ。

…だけど…たまに、
「半田がお人形さんだったらいいのに」と
思ってしまうことがあった。
そう。お人形。
自分の思いのままに動かせるお人形さん。
ツンでばかりいて欲しくなくて…

「半田」

彼の名を呼ぶ。
二人きりだから、案外半田は近くに居て。
何だ、と少しぶっきらぼうな返事が返ってくる。
彼が振り返ったと同時に、
ボクは半田の首に手をかけた。
細くて白い半田の首を、
キリキリと締め上げる。

「ぅ…っく…ぁあ!!」

そうだよ、半田。
もっと鳴いて…ボクのために。
怖いでしょう?もうすぐ死ぬんだから。

「…まっく、す…」

もう目が虚ろだよ、半田。
流石に人って死ぬ直前になると
…怯えちゃうんだね。

「なぁに?」

ボクはいつもと変わらない笑顔を見せる。
しかし力は強めて。

「……ごめん、な…マック……ス…」

そう言う半田は、確かにボクの目を
迷い泣く見つめていた。

そして

静かに目を閉じた

「……」

自分の意思で殺した。
それなのに

「半田ぁ……ぅ…うわあぁぁああぁああ!!!!」

今更なのに…
どうして?涙が止まらないよ…
神様、どうか願いが叶うのなら。

いつか生まれ変わったら、
また半田と友達にさせて下さい。

そう願って、ボクは手元にあった包丁で
自分の手首を深く切って、
半田と同じ世界に旅立った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ