LOMの別主小説
□【頂き物】Ready?
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「………」
上がった息を整えながら、一欠は詩音を振り返る。詩音もまた、肩で息をしながら獲物を握った腕の力を抜いていた。
「魔法か」
「そう」
「……迎撃など要らない言った筈だが」
「……傷付く人を、見たくはないから」
それはあの青い子竜か、或いは一欠のことか。
「………」
後者では有り得ないと思いつつ、一欠は何も言えない。
詩音も、言葉少なにそれだけで終えた。
「……次に行くぞ」
「うん」
二人とも、真意は言わない、知らないまま。それは或いは己のプライドか。