オリジナル
□God creation’s of Destiny10
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〜6th,聖地の崩壊〜
バチバチと結界が音を立てて軋み出す。
「なんて無茶な事を………」
カチェーシャの悲痛な声が男へと向けられる。
「だが、こうするしか手立てはない」
男は無茶を承知でやっているのだ。
カチェーシャが何と言おうが男には関係ない。
「だからといって自分の身を犠牲にするなど………!」
「犠牲になるつもりなどないさ………ただこうするしかなかった、それだけだ。」
苦悶の表情を浮かべる男の腕が悲鳴を上げながらも結界内へと侵入していく。
「自らを媒介に結界とシンクロするとは………正しく肉を切らせて骨を断つだな」
ダティウスは男の所業に感心した声を漏らす。
「関心しないでダティウス!止めなさい、このまま無茶をすればただでは済まなくなりますよ!!」
カチェーシャはダティウスを諌め、男を止めようとする。
「伝説の魔道士、手出しはしないのではなかったのか?」
「そんなモノは時と場合によります!!」
何とか男を止めようとするカチェーシャをダティウスが止める。
「止めておけ、止めたところで止まりまはせん」
「でも………!」
「もう一人の魔道士の言う通りだ。何をされようと止めはしない。………ありがとう、心優しき者。お前達はまるで『世界』そのものの様だ」
男は言い終えるかどうかのところで結界内に完全に入り込んでしまう。