小説殿
□日常風景
3ページ/3ページ
ふと…思ったんだ
こんな日常風景がいつかは無くなってしまうのだと
高校だって後約1年程度しかないわけだし
受験もあるんだよなとか遠い未来の予想図…
ふっ…ガラじゃないよな本当にこの暑さで頭までやられたか…
『お…お…い、おい一ノ瀬!
バコン…
鈍く乾いた音が響く
『いってぇ…な…』
燈也の見た先は担任の臼井創(うすいはじめ)が見下ろしていた
『一ノ瀬。お前最後の授業中くらい気合い入れろバカたれ』
『すんません…』
苦笑いしながら燈也は促す
『え〜、じゃあ次59ページ…
はぁ 思いっきりやりやがってあの野郎…
俺も俺でなんであんな事考えてたんだろうか…
トントンッ
振り向くと親友とまで言わずとも仲の良い奴の弥侘玲(やたれい)がニコニコしながら
『どうだ臼井ハンドブックチョップの痛みは』
『臼井先生〜弥侘君がしゃべり掛けてきま〜す』
『おまっ!』
こんな日常がずっと続けば良いのに
あの時の事故みたいにみんな消えたりはしないのに…