TALES
□英雄と勇者
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別れの時
二人っきりの森の中
ロイドは呟いた
「いかないでよ クラトス」
「…ロイド」
クラトスが優しく諭す様に言うもロイドは嫌だと言う風に首をふる
「嫌だ…行かないで
俺から離れないで
何処にも行かないでよ
父さん…っ!!」
父親と同じ鳶色の瞳から大粒の涙を流し幼子の様に泣きじゃくるロイド
そんな姿を見てクラトスは厳しい顔付きになり突き放す言葉を吐き出す
「こんな時にだけ父さん…か
何時も強いお前は何処に行ったのだ」
「強くなんかない…
俺には親父やコレット達がいたけど駄目なんだ!!
本当に…俺が望んでいたのは父さん…クラトスだけなんだ
だから行かないでくれよ!」
クラトスの厳しい言葉に更に泣いてしまう。
溜め息を吐いてくしゃりと頭を撫でると
「お…ねが…ぃ…クラ…トス…」