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□大好きな君と
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大好きな君と
僕の彼氏は気が弱い、というかヘタレだ。
僕といるときはいつもオドオドしてるし、
手を繋ぐときも絶対に僕に許可を求めてくるし。
まぁそれはそれで可愛いんだけど、
僕としてはそろそろ先に進みたいなー、なんて。
骸と、きすしたい。
図書室で本を読んでいたとき、
女子たちのこんな会話が耳に入った。
『昨日ね、彼がキスしてくれたの』
『え、ほんと!?うらやましー!
付き合ってもうどれくらいだっけ?』
『一ヶ月とちょっとかな。
なかなかしてくれなかったから、
私のこと本気じゃないのかなーって思ってたけど、』
もう本の内容なんか頭に入ってこなかった。
付き合って三ヶ月も経つのにキスされない僕は、
骸に愛されていないのだろうか。