甘い夢と蜜の夢
□彼女の特権
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〜選択〜
@自力で応戦
A反射神経を信じて避ける
B大人しく殴られる
さあ、どれ!?
「僕だったら@かな」
『んじゃ私はAで…………?』
ん?
んん?
「ねえ君達、その子が僕のモノだって分かってて手を出してるの?」
え、ええ!?
『「ひ、雲雀さんっ!?」』(×3)
なんと、私の調度横に移動した所にある屋上の扉から問題の張本人が。
…わお。
すごい威圧感。
目の前の女の子へ目をやると手を私に振り上げたまま、雲雀さんを見て…顔面蒼白。
周りは……同上。
「ねえ、どうなの?」
「「「………し、失礼しましたああああ!!!!」」」
ダダダダダッ
「わお、僕のモノに手を出しといて逃げるなんてね。まあ、女子だしかみ殺しても楽しくないから良いや。ねえ大丈夫?」
"マッハ"ていう表現しか思い付かないくらいに女の子達は一目散に逃げて行った。
そして残された私と
雲雀さん。
『っ……はあああ!』
「凄い溜め息だね」
『だって、めっちゃ怖かったんですよ!?あんなの初めてだし!!』
ズルズルと壁伝いにしゃがむ。
一気に身体を纏っていた緊張感が解かれていく。
いや、違う。
「僕だったら@かな」
って言う声が聞こえた時から
身体にはもう緊張感なんて無かった。
代わりに訪れたのは"安心感"。
「そう。ごめんね」
『へ…』
私の目線に並ぶように雲雀さんもしゃがんだ。
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