甘い夢と蜜の夢
□彼女の特権
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ピンチはチャンスに変わるって
誰かが言ってたけど、
今、変わるかな?
私、すごくピンチなんだけど。
「あんたさあ、雲雀さんと付き合ってるってほんと?」
「身の程弁えてる?」
「あんたが付き合える人じゃないのよ」
どこぞの少女漫画にありそうな屋上での女子達の恋愛バトル。
今追い込まれてるのは私。
向かって来てるのは3人。
3対1…
私に、今のこの状況を作らせた張本人程の戦闘力があれば3人なんて遊びのうちにも入らないのだろう。
『言っときますけど…私は告られた方なんで…私に抗議するのは間違いですよ?』
まあ、私も付き合っている以上、ちゃんと相手を好いているには好いてる…が、
ごめんなさい。
私にはこの状況を打破する力なんてないので、責任転嫁します。
ごめんなさい。
「そんなことはどうでもいいんだよ」
「どっちが告ったとかどうでもいいんだよ!さっさと別れろっつてんの!」
「エリはあんたより前から雲雀さんのこと好きだったんだからね」
はあ。
そんなことは知りませんが。
『いや、あの…それでなんで私が別れなきゃいけないんですか?』
「はあ?」
「聞いてなかったの!?お前が付き合っていいよーな人じゃないって言ってるの!!」
「……別れないなら………」
いや、確かに殴られるようなことは言いましたが。
後ろはコンクリートの壁。
どーすんの。
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