甘い夢と蜜の夢

□彼女の特権
1ページ/3ページ



ピンチはチャンスに変わるって
誰かが言ってたけど、

今、変わるかな?

私、すごくピンチなんだけど。



「あんたさあ、雲雀さんと付き合ってるってほんと?」
「身の程弁えてる?」
「あんたが付き合える人じゃないのよ」



どこぞの少女漫画にありそうな屋上での女子達の恋愛バトル。

今追い込まれてるのは私。
向かって来てるのは3人。

3対1…

私に、今のこの状況を作らせた張本人程の戦闘力があれば3人なんて遊びのうちにも入らないのだろう。


『言っときますけど…私は告られた方なんで…私に抗議するのは間違いですよ?』


まあ、私も付き合っている以上、ちゃんと相手を好いているには好いてる…が、

ごめんなさい。

私にはこの状況を打破する力なんてないので、責任転嫁します。

ごめんなさい。


「そんなことはどうでもいいんだよ」
「どっちが告ったとかどうでもいいんだよ!さっさと別れろっつてんの!」
「エリはあんたより前から雲雀さんのこと好きだったんだからね」

はあ。
そんなことは知りませんが。


『いや、あの…それでなんで私が別れなきゃいけないんですか?』

「はあ?」
「聞いてなかったの!?お前が付き合っていいよーな人じゃないって言ってるの!!」
「……別れないなら………」


いや、確かに殴られるようなことは言いましたが。

後ろはコンクリートの壁。

どーすんの。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ