CHOCOLATE KISS

□幸せのチョコレートキス
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少し前までは、この快感を与えるのは自分だ、と、洋助は思っていた。

例え、自分に経験がなくとも、年上である自分がリードすべきだと気負っていた。

だが、今実際その流れになってはいるが、そんな拘りはどうでもよかった。


ただ、ひとつになる。

溶け合いたい、混ざり合いたい。


その本能の前では、今までの考えは全く下らないものだ、と、言い切れる。


隣にいるのが当たり前に感じていた存在を感じる、それが唯一の幸福。

それにやっと気が付いた。


だから、年上とか、下らない。






徐々に肌を露にされ、洋助は細やかな抵抗らしいものをみせたが、それは恥じらいからくるもので、慎也には煽っているようにしか感じられない。


洋助の体が緊張で強張る度に、大丈夫と言い聞かせる様な、優しいキスを惜し気もなく降らせる。

その合間に愛を奏で、その体の芯まで浸透させていく。

その囁きに、消え入りそうな声で何度も小さく体を震わせ「俺も…」と、答える洋助は、ただ、慎也の与える熱に溺れていった。






気が付けば、ふたりとも全裸であった。

羞恥が、それとも与えられた熱のせいか、全身を朱に染め上げ、甘く鳴く洋助の胸の突起を舌先で転がしながら、片手では雄の象徴たるものを、やわやわと愛撫している。

「…やぁっ…あぁ…あ、…」
その動きに合わせ、陸に上げられた魚のように、全身を跳ねさせる洋助には、既に今、与えられている快楽を追い掛ける事しか出来なかった。


性的に疎い洋助は、この歳になっても、自慰行為すら、まともに行なった事はなかった。

性欲がないのではなく、全く初なのだ。

だから、慎也の指や舌の動き全てに翻弄されるのだ。


その反応が嬉しく、新雪に己の足跡を残す様に、慎也は紅い跡を残しながら、自分を洋助の刻んでいく。


時折洩れる甘い声と、細やかに行われる抵抗に酔いしれながらも、味わう様に、舐めあげていく。

「…あぁっ…!」
その舌先が洋助の雄の到達した時に、洋助は耐えきれずに、白濁を飛ばした。

たださらりと舐めあげられただけで、達した洋助は、己の甘い声に驚き、咄嗟に口を塞いだ。

「洋助さん、早いね」
クスッとひとつ笑い、その手に付いた白濁をうっとりと舐める。

洋助は、その扇情的な姿から眼を離せなくなりながらも、「…やぁっ」と小さく鳴きながら、ふるりと震える。

「もっと…もっと、洋助さんを……頂戴」そう、呟くと、洋助の雄を口内に収めた。

「はぁっ!」
その思いがけない程の快感に、洋助の背は弓なりに反らされた。

「ぁは!あ…あぁ!やぁっ!…ひん!」
初めての感覚と、聞こえる水音に、洋助は涙を流しながら受け入れるしかなかった。

裏筋を舐め上げられ、慎也の指先も舌の動きとは別に蠢き、追い立てる様に沸き上がってくるそれに、ただ震えるしか出来ない。


「あ、んあ…あ、だ…だめ…ぇっ」

プルプルと震え、また達すると哀願する。
と、突如、あらぬ処に触れられた。


それは、普段は排泄に使う筈の器官。

「ひゃあっ!」
指先を当てられ、今までとは違う悲鳴をあげた。
「やだっ…ど…何処触って…」

その声は戸惑いに震えていた。


全く性に奥手な洋助は、そこを使う行為に対しての知識は皆無なのだから、怯えて当たり前だろう。


だが、諭すようにそっと、慎也は囁いた。


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