CHOCOLATE KISS

□幸せのチョコレートキス
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慎也は押し付けられたそれを受け取り、チョコと洋助を交互に見て、突然くすっ、と笑った。

「なっ!何が可笑しい!」
さっと、朱に染めた顔で怒鳴った処で、そんな洋助さえ可愛いだけなのだが、それに気が付かず、慎也は洋助を胸に収めたまま、クスクスと笑っている。

余りにも笑い続けるその様に、プイッと不貞腐れる。

しかし、慎也は笑いが収まらない。
ゴメンと、謝りながらも、貰ったチョコたちが入った袋をガサガサと漁り、中のひとつを取り出す。


それは洋助が押し付けたものと同じチョコレート。

「それ……」
今度は洋助がチョコと慎也を交互に見る番だ。

「これね、俺がさっき買ったの。洋助さんと食べたくて」
そして、自分の買ったものは横に放り投げて、洋助から貰ったチョコの封を開ける。
ひとつを口に入れ、
「洋助さん、これが好きだと言ったよね?だから、一緒に食べたかったんだ」

そして、またひとつをつまみ上げ、洋助の口元に、甘い笑顔と共に差し出す。

ちらりと慎也を見上げた洋助は、そのチョコに、パクリと食い付いた。


―――甘いものが口に入ると、どうしてこんなに蕩けそうな顔になるんだろう、この人は。


そんな幸せそうな笑顔を見て、じんわりと胸が温かくなる。



ふと、洋助が顔を上げると、そこには極上の笑みを浮かべた慎也がいた。

彼の瞳には、自分が映っているいる。

―――キレイ………

何が、かは判らない。でも、そう感じた。

慎也がゆっくりと近寄る。

その唇から逃げれない。
だって、キスしたいと、思ったから。



そっと触れた、軟らかな感触は、どちらのものだろう。

それさえ分からない程、触れただけで溶け合った。

触れては、軽く食む様に触れると、それに溺れる様に、洋助はうっとりと目蓋を落とす。

啄む様に何度も食み、徐々に触れるのが長くなり、洋助に浸透する様に甘いキスを贈る。

時折聴こえるリップ音が、くちゅ、と、音を変え、慎也は彼に舌を進入させる。

それさえも待ちわびたように、鼻から子犬のような鳴き声をだし、その感触に溺れる。

慎也の舌の動きは、いつの間か雄のものに変わり、洋助の息さえも吸い尽くすような荒々しくなる。

洋助の頬を両の手で優しく包み込む。
だがそれは、息継ぎの仕方が解らずに、逃げようとする洋助を追い詰めるもの。

彼の漏れる息が甘く鳴く。

「…は…っあ…ん…くぅ…」

舌の動きに翻弄され、苦しさか分からない涙を流す。


洋助の口を犯しながら、慎也は彼をゆっくりと押し倒す。

押さえ付けるように口内を味わいながら、洋助の体のラインを楽しむ様に、指先を踊らせる。

その辿るような動きは、彼の体を余す事なく知ろうとしている。


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