七つの世界のかけら
□第二章
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まとわり付く光。
ラングルドは頭に、王都の景色を思い浮かべる。
象牙色に輝く城に、それを取り囲むように寄り添う木々の美しさ。
赤茶色の素焼きの煉瓦で造られた、懐かしい街並み。
そこに暮らす人々の幸せに満ちた生活。
どれもが、王都を中心とした国の繁栄の証し。
ひとつのキーワードから、容易に浮かぶ我が故郷。
そして、“泉”は、王都に繋がり、彼らを運ぶ。
はずだった。
揺らめく光に、光輝は酔っていた。
だが、それは酔いとは違うものだった、
四肢を引き千切られるような感覚に、頭がミキサーか何かで掻き回される痛みを伴い、前を行くふたりに助けを求める様に、力なく手を伸ばす。
息が出来ない訳ではない、が、光輝の細い首に確かに何か巻き付いている。
―――助けて……
声にならない声を上げ、必死に求める。
が、―――
徐々に動きが少なくなら、痙攣を起こし…
やがて、光輝は動かなくなった…
ふたりが光輝の異変に気が付いた時には、ただ、ふわりと漂っていた。
光輝は息をしていなかった―――
、