玩具友達

□甘い声
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知己は、駿輔の首筋に、その薄い唇を落とす。

「…ぅひゃぁ!」
息が触れるだけで、駿輔の口からは上擦った声が上がる。

「お前、もう少し色気のある声がでないのか?」

そんなの無理だ!と、心で叫び、体は反応するものの、やはり色気は皆無。

「…ひっ!き…持ち…わ…っ」

ベロリと首を舐められ、徐々に耳まで上がっていく舌先が、まるで生き物のように、駿輔の弱い部分を捜して蠢く。

知己の舌が、熱を残しながら、首の辺りを這い擦り回っているのを、必死に耐えていた。

残された熱が、別の感覚を与え、背筋をゾワゾワと駆け上がる。

『こ、これってもしかして…気持ち良いって事?!』

先程までとは違う感覚に、駿輔は戸惑いを隠せないが、それでも何とか、体制を立て直そうと、もがいていると、突如、痺れるような快楽が体を支配した。

「…んあっ!」

別の事を考えていたせいで、声を抑える事も出来ず、鼻から抜ける甘い声が出た。

「お、意外にかわいい声出たな」

くくくっと、満足気に鼻先で笑いながら、駿輔の熱が、集まった中心を、指先だけでなぞる。

「…ン…ち……ょ…」

体をピクリと振るわせながら、言葉のならない掠れた声が上がる。

それはまるで吐息のように。

布越しに感じる男の指先が、駿輔の好い所を責めてはいるのだが、この焦らす様に踊るそれが、徐々に彼の思考に靄をかけていく。

「…あ……ん…!」

自分自身では与える事が出来ない快楽に、確実に駿輔は高められ、追い詰められていく。
鼻から抜ける、仔犬の鳴き声にも似た甘い掠れ声に反応するように、知己の手が、確実に駿輔を追い詰める。

「…だ…ダメぇ!」

もう…!でる…

その感覚を対処出来ないまま、駿輔は甲高い声を上げて達してしまう。

自慰行為では決して味わう事の出来ない感覚が、我を忘れさせたか、荒い息の中で、この快楽を与えた知己の首筋を、ペロリと、ひとつ舐めた。

それは、男の動きを奪うには十分過ぎたようで、知己は、固まったままで駿輔の顔をまじまじと見る。


ほんのりと朱に染まった頬に、唇は誘うように熟れて、その唇から時折見える舌先が、いやらしく更なる絶頂を求める様に濡れている。

その姿に知己は、ゴクリと生唾を飲み込んで、無意識の誘いに乗るか否かを悩ませる。

「…とも…き…?」
しかし、 煽るように駿輔が彼の名を呟く。
薄く開いたその瞳は、妖しく潤み、誘っているようだ。

再度、生唾を飲み込んで、その熟れた唇を味わおうと、己の唇を近付けた瞬間…


「…気持ち悪い……」

明らかに快楽の波が去り、先程出した自分の欲望の証拠が、下着の中で不快感を招いてるようだ。

「気持ち悪い!何とかしやがれ、バカ知己!」

蹴りが知己の鳩尾にヒットし、彼は堪らすもんどり打った。

そんな奴を放置し、駿輔は勢いよく起き上がり、「風呂入ってくるわ」と一言残して、部屋を後にした。


ベッドの下では、腹を抱えてまま、呪詛にも近い呻き声を上げるしかない、色男がのたうち回っている。





シャワーを浴びながら、駿輔は先程の行為を思い出して赤くなる。

あのままだと、本気でヤバかった。

間違いなく流されて、とんでもない事になっていただろう。

「…気持ち良すぎだって…アホ…」


彼の呟きは、シャワーの音でかき消されたが、先程感じた熱は、確実に駿輔の中で燻り始めていた。




このまま、ソッチに走ってしまいそうな、自分の中の衝動をどう抑えるか。

これが今後の駿輔の課題である。



END


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第一話移動完了です。
長くなり、半分にしたんですが、それでも長い!携帯で観るのに、あまり長い文章は適してないってのが、よく解りましたよ。
感想など、頂けると嬉しいです♪
ってか、あたしのエロの書き方クドイみたいですよ?
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