七つの世界のかけら
□第一章
4ページ/12ページ
その問いに、男の口はしがくっと上がった。
小馬鹿にしたように視線だけで少年を見下ろし、
「アレを直すには金がいんだろ」
と、顎だけで、上を示す。
少年が不意に見上げると、天井の一部から空が見えた。
「テメェが墜ちてきてご覧の通りだ、ちったぁ悪ィと思うなら、黙って売られな」
そんな理不尽な…
少年は、口先で呟いた。
しかし、天井の無惨に空いた自分ほどの穴は事実だ。
ほかっとそれを見上げてる少年は、視界の端にいた男が動き出すのを感じながらも、その穴から目を離せないでいる。
―――マンホールの先にここ?
どれくらい長い間落下してたか全く判らないが、それでも死なない自分は何なのだろう…?
ふと、少年の視界に別の影が映る。
―――…?
何?と思った瞬間、眠っていたベッドに叩き付けれるように、押し付けられた。
「っ!?」
それは男だった。
男は、少年を押さえ付ける様に、覆い被さってきたのだ。
「売る前にまず、俺が味見をしてやる」
そう言って、少年の股間に手を添える。