七つの世界のかけら
□第一章
3ページ/12ページ
と…
「ぎゃゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「うるせぇ!!!!」
突如、眠っていた少年が目を冷まし、男のただならぬ気配に驚き、色気の感じない悲鳴を上げた。
そんな少年に、男は握っていた剣先を向ける。
すると少年は、ひぃっと言葉を飲み固まった。
額から汗を垂らし、真っ青な顔で、自分に向けられている剣に、少年は、小さく震えるしか出来なかった。
「ったく、とんた期待外れだ」
男は小さい溜め息を吐く。
「色気のかけらもねぇ声じゃねぇか、お前は」
その男の態度に、ハ?っと少年は、首を傾げる。
全く意味が分からない。
「んなんじゃ、売っても金になんねぇだろーが、金によ」
そこで始めて少年は問いかけてみた。
「俺を…売る…の?」