メタルの話
□2話 独り思ふこと
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「博士、風邪ひきます・・」
メタルはそう言うと、
イスで座って寝ている博士に小さいブランケットをかけた。
「ああ、ありがとう、メタル」
そう言うとメタルは嬉しそうにほほ笑んだ。
どこか温かい・・。
しかし、そうやって優しくされる度に思うのだ。
なぜ、感情のあるロボットなど作ったのだろう、と・・・。
独りで良かった・・
メタルと過ごす日々は、どこか温かくて、
なぜか、"アイツ"への憎しみや憎悪が消えていくようで怖かった。
それが消えてしまったら、自分が自分でなくなる気がしてならなかったのだ。
「・・・博士、どうしたんですか?
悲しそうな顔してます」
「そう、見えるか?」
「・・・・博士?」
「そうじゃな、ワシは、悲しくて淋しい人間なのかもしれんな」
「・・・・・?」
「アイツに叶うことは何もなかったから・・・」