おもちゃ箱

□アナザー:白と黒
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黒く汚れた私は、黒と主張する白い貴方を愛していて

本当は白い貴方は、白く偽った黒い私を愛している。


お互いがお互いを愛しているように見えて、しかしそれはすれ違う悲しい片思い。




あなたはどんな私を愛してくれるの?

「無垢で一点の穢れのない美しい人」


残念ながら私は貴方の思うような素敵な女ではないの。
でも私を見てくれるその熱い眼差しが陰っていくなんて考えられない。
ほかの人を映すなんて以ての外。

そんなドロドロした想いを抱えた私を知ったら、貴方は離れていってしまうかしら?
思い違いだった、と涙を流すのかしら?

そんな貴方も愛しいと感じる。


私のことを沢山知ってもらいたい。
そしてその分私も貴方のことを沢山知りたい。

だから物陰に隠れていないで出てきて欲しい。
ちゃんと目を見て「愛してる」って言って欲しいの。

私がこう望んでも貴方は、自分が汚れているからなんて言って来てくれないんでしょう?

じゃあ、私から貴方に会いに行くわ。
思いっきり抱きしめて一緒に居れなかった時間を埋めたいの。



でも、まだその時じゃない。

焦らして焦らして、今以上に私以外考えられなくなったら、

私から貴方に会いに行くの。


それまで私は貴方の望む「私」になりきるの。


「人生」と言う名のゲームの上で、私はサイコロを振る。
貴方は慎重に1マス1マス進んでいくけど、

私はイカサマだってズルだってしちゃうの。

貴方より先にゴールして、ごーるでずっと貴方を待ってるわ。

貴方はゴールするしか終わりはないのだから、私に受け入れられるしかないの。


私は大好きよ、愛してるわ。

だからその時まで・・・



私の手のひらの上で踊ってね。






アナザー:白と黒
(白い私が好きだと言うのなら、私は喜んで偽ろう) (白だと)
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