よろずBook
□稲妻11
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「条介さん、」
向かいあって、お互いを見つめる。普段より近い距離に立向居は顔を赤らめながら、少し小さめの声で名前を呼んだ。
「どした、勇気。」
恥ずかしがりやの立向居は普段滅多に綱海の名前を呼ばない。名前で呼ぶときは立向居にとって特別な何かがある時だけ、その特別な何かは大抵綱海にとって好ましい事だった。急かすようなことはせず、優しく先を促す。
「その、今日は条介さんからちゅーしちゃダメ、です。」
立向居のまさかの言葉に、綱海は一瞬頭に?が浮かんだ。だがすぐに突然のキス禁止令に慌てふためく。
「え、何でオレなんかしたか!?」
「いや、そうじゃなくて……今日は俺からちゅーするって、決めたんです!いつも綱海さんからで俺からすることってほとんど無いから……イヤ、ですか?」
くらり、と目眩がした。
(何だ、この可愛い生命体…っ!)
「嫌なわけ無い、むしろ大歓迎だ!」
ニカッと笑って立向居を抱き締める。わたわたと慌てる立向居に自然と口許が緩んだ。こうやって抱き合うことは初めてでは無いのに、いつまでも初々しい反応をしてくれる可愛い自分の恋人。だからつい意地悪をしてしまいたくなる。
「じゃあ勇気、キス、してくんね?」
「…目瞑ってて下さいね?」
「おう。」
触れるだけのキスに嬉しいけど少し物足りないような不思議な感覚。たぶん満足なんて一生しないのだろうけど。
From me to you.
(只今キス禁止令発令中です!)
end.
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かなりこっぱずかしい文です、何回か携帯を放り投げそうになりました。
立向居がちゅーって言ってたら可愛いと思ったんです。
綱海は腹ん中真っ黒で良いと思う。立向居は腹黒でも天然でも許されるよ、うん。
この文を読んでくれている読者様には感謝でいっぱいです、ありがとうございます!