よろずBook

□稲妻11
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「鬼道、お前円堂が好きなんだろう。」







豪炎寺が発したその言葉に、俺は妙に納得してしまった。




「…そうか、俺は円堂が好きなのか。」




自覚無かったのか?、と苦笑混じりに豪炎寺が言う。別に自覚が無かったわけでは無い、ただ円堂限定で抱くこの感情に名前をつけることが出来なかったのだ。まさかこんなにアッサリと答えを言われてしまうとは。




「で、どうするんだ?」





「何を?」





「円堂の事だ。鬼道に限って、何もせず片想いのままっていう事は無いだろう?」





「……」





恋愛というものは、自覚しただけではいけないようだ。特に俺のような人間にとっては。





「どうすれば良いと思う?」





今まで色恋沙汰にはあまり興味を持って来なかった。好意を持ってくれた女子はたくさんいたが、サッカーや勉強等に忙しく全て断っていた覚えがある。ましてや相手は自分と同じ男で、時に理解しがたい行動を取ることもある円堂だ。未知の領域と言っても過言では無い。





豪炎寺は俺の言葉に少し考え込むように黙り込んでから苦し紛れに呟いた。





「ゲームだと、考えたら良いんじゃ無いのか?」





「ゲーム、か?」





「あぁ。お前は天才ゲームメイカーだろう?」





天才ゲームメイカー、そういえば自分はそんな肩書きを持っていたな。自分の考える戦略には自信があるし、そうか、ゲームだと思えば良いのか。





「豪炎寺、ありがとう。なら、俺は明日から動くとしよう。」












賽は投げられた!
(「俺は天才ゲームメイカー、負ける事などありえない。」)






end.



■■■■■■■■
自信に満ちたナルシ入ってそうな鬼道さんを書いてみたかった。

よくよく考えてみると、ギャルゲに燃えるヲタク(要するに自分)みたいだなとか思ったり。
なんか鬼道さんごめん。



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