よろずBook
□稲妻11
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腹黒?立向居
二人は付き合ってないよ
綱海さんは、突然纏う雰囲気が変わる時がある。
普段隣にいて感じる穏やかなものでは無い、激しくうねるような、それでいて迷いや疑問を含む……そんな雰囲気。何が綱海さんをそうさせるのか。
理由はおれだ。
綱海さんに思いを寄せるおれは、チームの皆が思っているほど純情でも天然でも無い。(円堂さんに関しては別だけれど)近い時期に入った途中参戦者として他のチームメイトよりも出来るだけ多く一緒にいて、練習をして、話して、笑顔を向けて、引き付けて…此方から引く。
そして綱海さんは、確実におれという存在に揺らいでいる。
おれが豪炎寺さんや鬼道さんと話しているのを見ると雰囲気が変わる。それはずっと綱海さんを見て一緒にいたおれでしか分からないような小さな変化。
同性で後輩のおれに恋したという事実に気付きかけているのだ。
口元が少しだけ緩む。
もうすぐだ。
もっと『立向居勇気』という存在に揺さぶられて下さい。
悩んで下さい。
溺れて下さい。
堕ちてきて下さい。
完全犯罪
(すべて計算通り、なんて)
end.
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こんな子が個人的には大好きです。
行間の取り方がいまいち分からない。どこまで空けて良いのやら…。