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□終止符を打つのは、まだ早い
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目の前に広がるのは緑のコートと真っ青な空。

そして立ち塞がる敵の姿。




「時間の無駄だ。」



「まだまだっ!」



神速の黄色を意地で返す、それすらも相手は余裕の表情。


まだまだだね。こっちだって余裕なんだ。
攻めさせてもらうよ。




「ドライブB!!!」




「侵略すること火の如く…。」



嘘だろ?
相手がとても大きく見える。
いつも立ち塞がる巨大な壁は押し潰そうと自分を見ている。




「絶望と共に散るがいい。」



絶望?
限界だけど、絶望なんかしないよ。



黄色は跳ねる、青い空に。
汗が流れて視界を邪魔する、だけど関係ない。


本能が球を返そうとする。
体が限界を叫んでも大丈夫、気持ちの限界なんてまだまだだから。



相手の名前をコールする審判の声すら聞えない。

ただ目の前の敵を倒そうと全ての神経が言っている。




「ゲーム越前、2−5!!!」




一瞬でも休んだら、負ける。
ひしひしと感じる獣染みたその感覚。
だけど何処か心地良い。




必死の打ち合い、心に浮かぶのはいつかの彼との試合。


そんな中、頭上を通り過ぎる一つの陰。三回も頭の上を通り過ぎる陰。




――――――にゃろう。





「諦めろ…。
お前ら青学の優勝など最初から存在すらしていないのだからな。」




迅雷の如く放たれた敵の攻撃。
届かないなんて思わない。



俺は攻め続けてやる。


やはり頭上を通り過ぎる陰。
駄目だなんて…そんなの…。





「アウトーッ40−15!」




そうさ。




「まだまだまだーっ!!!!」






終止符を打つのは、まだ早い。





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