*当主の部屋*

□ThePrinceOf☆KNIGHT
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プロローグV:立海王国編

目の前に聳え立つ我等の敵。
幸村…お前はコレを見て恐がっているのか。
さっきから…一言も発してないだろう?
「…幸村。」
「何?真田。」
月明かりに照らされたあいつの顔はとても綺麗でその美しさは残酷なほどだった。
「これが…さ。僕らの敵。守るべき街を壊す物…なんだよね?」
幸村は俺に尋ねてきた。
どう見たって街を壊す怪物…この光景を見て、この質問をするのはおかしいと言う物だ。
「あぁ」
「…なら、こいつを倒したら街は…戻るんだよね。」
「当たり前だ。」
「うん…」
いつもこの様な雰囲気の奴だが、今日は何か違う...

「幸村?!どうしてこんなトコに来とるんじゃ」
仁王、そして柳生が駆けつけた。
「僕がこの街を守らなくて、どうするんだい?」
「しかし、幸村君は魔導士。奴は魔法耐性です!」
柳生の忠告を聞いて。幸村は知ってるよと言いながら一本の巻物を取り出した。
「幸村…それは?」
「王家に代々伝わる禁術書だよ。」
「禁術?!」
「俺はコレを使って奴をこの地に封印するよ。だから…真田達は俺に時間を頂戴。」
禁術というのは、自分に悪影響をもたらし、特殊な効果を発揮する..
幸村にそんな危険な事…!
「真田…俺を信じて?俺にお前を守らせてよ。」
「…」
幸村の眼は…本気だった。
「…一つだけ、一つだけ聞かせてくれ。」
少しの間をおいた…。
心のどこかでは、この答えがわかっていたからかもしれない。そして、奴の口から聞きたくなかったからかも知れない。
「使った後…お前は………どうなるんだ。」


「………死ぬのかな。」
後ろを向き何気なく言った一言。
しかし、俺には見えていた…幸村の瞳から一滴の水が零れた事を。


続く...
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