*当主の部屋*

□ThePrinceOf☆KNIGHT
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プロローグU:立海王国編

病室の窓からは、永遠に続く砂漠とその砂嵐が吹き荒れる風景が見える…。
この国は、砂に潜む怪物(モンスター)が存在していた。

「幸村……体調はどうだ。」
...しかし、その質問に返答する人物はいなかった。真田弦一郎はいつもの様に幸村が眠るベットの乱れを直し。布団を丁寧にかけてあげる。それと、頭の右上の棚に飾ってある花瓶の水換えを忘れた事も無い。
「……幸村。」
顔を見つめ、真田は一言呟いた。

あの日、俺達の住む街が…城が…怪物に襲われた。
俺たちは命をかけて守った、王をそして、大切な人を…。

―1年前―
「真田、第5軍も全滅と知らせがあった。」
戦場の管理をしていた柳が駆けつけた。
「そうか、ならば西の方角は戦力の低下が見られるな…仁王、柳生を向かわせろ。」
「俺も戦いに参加した方が…」
「いや、情報管理を怠ってはいかんからな。」
「…わかった。」
城下町は焼き焦げ。俺たちは明るい夜を2日間過ごしていた。

「真田…もう、終わりにしないか?」
救急テントで軍人の手当てをしていた幸村が、俺に問いかけた。
「何を言う!なんとしても、この街を守ってみせる。」
幸村は王族の血筋であり、それに騎士団を仕切っていた。現在の王はコイツにとって叔父さんになる。王を倒されては……幸村は悲しむ。
それだけは、なんとしても防ぎたかった。
「そうだな。俺が弱気になっては…いけないな。」
『真田さん!!遂にコチラまで怪物が!!』
「本当か?!」
「悪い真田…。」
ジャッカル、丸井がボロボロになって帰ってきた。戦場はひどくなる一方か…。
「よし、俺が行こう。」
そういって、幸村は立ち上がった。
「なっ。」
「たまには…お前の役に立ちたいからな。」
生まれつき身体の弱い幸村を戦いに引きずり出すのは納得がいかなかった。しかし、現状を見れば猫の手も借りたいところ…それに、幸村はこう見えて頑固である。俺の言葉などに耳を傾けたりはせんであろう。

「頼んだぞ…幸村。」

あの時、俺が幸村を止めていれば...
未来は違っていたかもしれん。

続く...
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