小説(短編)

□ホワイトクリスマス
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灰色の雲に覆われ今にも雪が降りそうな空
そんな空と対照的に町は
鮮やかなクリスマスカラーで彩られ
あちらこちの店から華やかなクリスマスソングが流れていた

白い息をはきながら綱吉は
オレンジ色の紙袋を手に下げて早足で歩いていた


「明日綱吉と一緒にクリスマスを過ごしたいけど予定空いてる?」

そお言って優しく微笑んでくれた
大好きな恋人

「はい空いてます!」

ニッコリ微笑み返す綱吉


初めて恋人と過ごすクリスマスに
心臓が壊れるほどドキドキしていた


右手には昨日書いて貰ったマンションまでの地図
左手には恋人へのクリスマスプレゼント

あの角を曲がれば目的地
綱吉の足はいつの間にか走り出していた

早く会いたい

名前を呼んでほしい

抱き締めてキスして優しく微笑んでほしい

何をやっても駄目駄目で自信もなく
卑屈だったオレをあの人は愛してくれた

息を整えながらエレベーターの最上階のボタンを押す

グングン上がっていくエレベーター

最上階に着き綱吉は急いで
恋人の住む部屋のチャイムを鳴した

部屋の中から足音がして

ガチャリ

と扉が開く

「いらっしゃい」

現われたのは並盛りを牛耳る恐怖の風紀委員長であり
最強の雲の守護者の雲雀恭弥だった

雲雀を見るなり綱吉の頬が熱を帯びて赤くなる

そお…沢田綱吉の恋人とは・・・

雲雀恭弥なのであった

「こんにちはヒバリさん」

「外寒かったでしょ中に入りなよ」

「はい」

優しく綱吉の肩を抱き暖い部屋に招き入れる
リビングのソファーに綱吉を座らせ
温かいココアを差し出す

「はい飲みな暖まるよ」

「有り難う御座います」

熱々のマグカップを受け取る
ヒバリは綱吉の隣りに座ると冷えきった体の
綱吉を抱き寄せた

「冷たいね体…」

「ヒ…ヒバリさん////」


「暖めてあげよーか綱吉」

耳元で囁かれる甘い声腰の辺りがムズムズする

「ヒバリさん///耳のそばで喋らないでください」

「なんで?」

ニャリと笑う雲雀

「ボクの声で感じちゃった?」

「なっ!」

真っ赤になり俯く綱吉

「図星みたいだね」

ペロリと綱吉の耳を舐める

「ヒャッ」

「綱吉…ボク・・・
クリスマスプレゼントが欲しいな」

「えっ!あっ!用意してきましたよ♪」

マグカップをテーブルに置き
オレンジの紙袋を手に取りヒバリに渡す

「うん…有り難う…でもボクは別なのも欲しいんだよね」

「えっ?なんですか?」

「ボクが欲しいのは君」

「なっ////オレ」

「うん」

「じゃーあげます////あの…オレにもプレゼントくれますか?」

「ワォ?君から何か欲しいとか初めてだね!いいよ何
でも買ってあげる」

「オレの欲しいものは・・お金じゃ買えません
ヒバリさん自身だから」

「綱吉…」

「オレだけの雲雀さんで一生いてください」

大きな瞳に涙をためながら真っ赤な顔でヒバリを見
つめる

「言われなくても一生ボクは君のものだよ…だから君も
一生ボクのもの・・嫌だって言っても離してやらないから覚悟しなよ」

「はい」

嬉しそうに笑う綱吉を雲雀がソファーにゆっくり押し倒し口付ける

窓の外はいつの間にか
雪がチラチラと降り出していた


end


ちなみにw綱吉が雲雀さんにあげたプレゼントは手袋でした♪

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