土気色をした肌にそっと手を伸ばせば、くすぐったそうにその人は身を捩った。
「やめろ、あまり僕に構うな」
「だって暇なんだもの」
「・・・お前には課題という名の仕事があるだろう」
「あんなもの、とうの昔にやめたわ」
スネイプが溜息を吐きながら本の頁を一枚捲る。
今彼が呼んでいるのは闇の魔術の類のもので、私も横から覗き見てみるものの、全くといって理解ができなかった。
「そういえば、お前は魔法薬学が苦手だったな」
「何を分かりきったことを」
私は微笑み、地面に生えている花を一本だけ手折った。
それを髪の毛の間に滑り込ませて、今度こういう花飾りでも買ってみるかと考えていると、それはするりと髪の間から抜かれた。
「お前がグリフィンドールじゃなくてスリザリンなら、堂々と教えてやれるんだがな」
「えっ・・・」
私達の間を心地よい風が通り抜けていき、背もたれにしている木の葉がザアザアと音を立てた。
風が止んで、改めて彼の方を向いたら、口元にさっきの花が宛がわれた。
「な、何?」
「因みにコレは毒草の一種だ。間違っても食べるなよ」
「・・・・・・」
さっきの甘い雰囲気は何処へ。