その昔、病に侵された両親が言った。
さようなら……と。
その昔、世界中の人間たちが言った。
さようなら……と。
今度は目の前のヨナが言った。
お兄ちゃん、さようなら……と。
涙が出そうなのに出なかった。涙が流せる体がない……。
その時、優しい声が聞こえた。
ただいま、ニーア……と。
目の前には笑顔を浮かべたリリィ。
かつて離ればなれとなってしまった愛しい人。
ニーアは彼女に手を伸ばして言った。
おかえり、リリィ……と。
二人は抱き合い、笑顔を交わす。
そして二人で世界に言った。
この世界よ、さようなら……と。
世界は言った。
さようなら、ニーアとリリィ……と。
さよならの詩拍手ありがとうございました