ヨナがさらわれ、カイネが石になった日から、俺は生きる意味を失った。
自暴自棄になった俺を支えてくれたのは、ポポルさんやデボルさんではなく、リリィだった。
リリィはどんなに俺が酷い言葉をかけようとも、決して俺のそばを離れなかった。
ずっと俺のそばにいてくれて、弱った俺を支えてくれた。
そして俺が立ち直ると同時に………
リリィはいなくなった。
たった一枚の手紙を残して……。
「もう、あなたの呆然とする姿は見たくない。ニーアのお手伝いができるように、私は強くなってきます。だから……探さないで。ちゃんとニーアの元へ帰ってくるから……。」
リリィがいなくなって、3年がたった。
マモノを狩りに、いろんな場所へ行ったが、リリィの噂は全然聞かなかった。
そして……嵐の日の夜中、屋根のない図書館に何かが降り立った。
*