Asaheim2

□きっかけになればいい
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真っ白な制服に身を包んだ新人が、俺と芽衣の前に立つ。
サラサラヘアーと顔に浮かぶ笑顔。その笑顔に俺は顔をしかめた。
まるで作られたような笑顔だったから。

「式部清寿です。よろしくお願いします。」

「わー!!すっごい美人さんだ!!私は第1で研修させてもらってる黒川芽衣です!!こちらこそよろしくお願いします!!」

芽衣がペコリと頭を下げる。
そのあと、彼女が俺をつっついた。

「あー……御子柴笑太だ。一応第1の隊長で、総隊長なんかもしてる。なぁ、式部。最初に言っとくが……」


この部隊に、お人形さんはいらねぇ。


そう言えば、式部は首をかしげた。

「御子柴隊長、それはどういう……」

「常に人間であれってことだ。俺に忠実な部下なんかいらねぇ。それと、言っとくことが一つある。」

ちらりと隣の芽衣を見た。
彼女のくるくるした目が俺と式部を交互に見ている。

「芽衣は養成所を出たわけじゃないし、この部隊では研修生扱いだ。つまり、ランク的にはお前のほうが上。けどコイツはお前よりはるかに実力があるし、現場経験も豊富だ。芽衣は一応、お前の先輩だからな。もしお前が芽衣を侮辱したら、俺が許さない。」



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