Asaheim2

□惨劇の彼方に
1ページ/5ページ




嵐の晩、一人の少女が村の南の入口で倒れていた。
何も着ておらず、あちこち傷だらけだった。
少女はひとまず、図書館へと運ばれた。

この村では珍しいほどの金の髪。
まだ幼いにも関わらず、美しく整った顔立ち。
村の人々は、だれもがその少女のとりこになった。

少女が目覚めた時、覚えていたのは自分の名前がリリィである、ということだけ。
自分の村のことも、両親のことも分からないリリィを引き取ったのは、双子の姉妹・デボルとポポル。
姉妹に愛情を注がれたリリィは、すぐに元気になった。
元気になったリリィは、不思議な力を使い始める。
何もないところから火を起こしたり、水を出したり……。はたまた怪我を治療したり……。
その不思議な力は、村人たちの支えとなった。

そしてリリィは、村の少年であるニーアと出会った……。
やがて彼らが大人へと近づくころ、少年はリリィに言う。
「絶対君のことを守るから、そばにいてほしい」と。







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ