「芽衣さん!?無事だったんですね!!」
「はい。なんとかあのバケモノをまきながら逃げ回っていたんです。牧野さんに会えてよかった。あの……司郎さんを知りませんか?」
ズキンと心が痛んだ。
彼女は屍人に追われながら、ずっと俺を探している。
俺が司郎だと……言いたくなった。でも、それは駄目だ。
彼女をこの先俺がやる役目に巻き込みたくない。
だから俺は……
「芽衣さん……宮田さんは……死にました。屍人に襲われて……。」
「……う、そ。」
芽衣さんが崩れ落ちる。瞳から一筋涙がこぼれた。
「宮田さんは死ぬ間際、自分の死体を燃やすよう私に頼んだあと、伝言を頼みました。もちろん、あなたにです。あなたに会えたら伝えてほしいと……そう言って。」
嘘だ。俺はちゃんと生きている。でも生きるのは今だけ。俺の未来には死が待つ。
だから彼女とお別れしなければ……。
×××