夢@Asaheim

□あの人に勝つ方法
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相手が倒れたのを確認して、ゆっくりとデザートイーグルを下ろす。
白い制服を朱に染めた彼女が歩いてきた。

「……お疲れ様、笑ちゃん。なんだか……いらついてるみたい。」

「こいつが手間かけさせるからだ。桜澤時生なら、処刑するのにこんなに時間はかからない。」

彼の名前を出すと、芽衣は何か理解したような顔をして、俺の指に自分の指を絡めた。

「桜澤さんは桜澤さん。笑ちゃんは笑ちゃん……でしょ?」

手袋ごしに伝わってくる芽衣の温もり。
数年前、この温もりを俺は自分のものにした。
桜澤時生の死と同時に。
彼は死ぬ前、笑ってそれを許してくれたけど……。

「だけど俺は……あの人と比べると全然だめだ。」

総隊長としての力量も、お前の彼氏としても。
いつも考えてしまうんだよ。
お前の相手は、本当に俺でよかったのかったって……。
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