夢@Asaheim
□君は俺だけのものだって
2ページ/2ページ
「……和人さん。お皿は俺たちで洗いますから、和人さんはリビングに行ってください。」
そんな時、千尋のため息混じりの声が聞こえ、手の中のコップが奪われる。
驚いて彼の顔を見ると、千尋の隣から創一も顔を覗かせ苦笑していた。
「焦って食器を割られても困るしな。」
行ってくればいいだろ?と創一の口が動くから、俺は苦笑する。
こいつらには、とっくにバレてんだな。俺が芽衣ちゃんにぞっこんなんだってこと。
手についた洗剤を洗い流し、リビングへと向かった。
「芽衣ちゃん、ちょっといいかな。」
「あ、はい!!!和人さん。」
笑顔で返事をした彼女を見て、文太が彼女の膝から頭を上げた。
彼は「残念」とだけ言うと、リビングをあとにする。
俺は芽衣ちゃんの手をひっぱって、3階に移動した。
3階のほうが、余計な邪魔が入らないから……。
「あの、芽衣ちゃん。今度の日曜……俺とデートしてくれないかな?」
熱くなる顔。芽衣ちゃんと恋人同士になるのに、いまだに慣れない……。
俺につられて、芽衣ちゃんの顔も赤くなっていく。あ、芽衣ちゃんも慣れてないんだな……。
そう分かって、少しほっとした。彼女は赤い顔で笑ってから俺を見る。
うわっ。そんなの反則だよ。可愛すぎる……。
「和人さん……そんなふうにお願いしなくてもいいですよ。
私だって、和人さんとデートしたいし……。
だから裕ちゃんと翔ちゃんのお誘い、断ったんです。」
今度の休みは和人さんのための休み……と、そう呟いた芽衣ちゃんが愛しくてしかたない。
俺は幸せいっぱいの気持ちで、彼女を抱き締める。
かわいくて、優しくて、芸術の才能だってある、俺にはもったいないくらいの彼女。
芽衣ちゃんを好きになってよかった。
俺は自分の腕で芽衣ちゃんの存在を確かめる。
君は俺の中でとても大きな存在。ねぇ、約束して?
君は俺だけのものだって
***