夢@Asaheim

□熊のゴウ
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パッとすぐに手が離された。なんとなく、残念に思う。
ゴウは上目づかいで芽衣を見つめた。

『いや、いいんだ。むしろ、もう少しそうして欲しいというか……』

普段はゴウが芽衣の頭を撫でる。今日はその逆を求めてみたゴウ。
ためらいがちにも、すぐにぬくもりが帰ってきた。
温かい手が、何度も熊の頭を撫でる。同時に、「ふふふ」という笑い声が聞こえた。

『どうした?』

「ん……まさか、ゴウさんの頭を撫でる日が来るなんて思ってなかったから。
それに、今日のゴウさんはやけに甘えん坊だし、熊だし可愛い……。」

ふわりと彼女が笑った。
太陽のような微笑みで、ゴウはこらえきれず芽衣を押し倒した。
はたから見れば、熊が芽衣を襲ってるように見える。
実際は、ゴウが芽衣を襲っているのだが……。

「あっ……あの……ゴウ、さん?」

『熊の姿というのは、何とも不自由だな……。』

キスを贈るかわりに、ゴウは芽衣の鼻先をチロリとなめた。

『この続きは人間の姿に戻ってからするとしよう……。』

のそりと熊の姿が縁側に向かった。
芽衣は体を起こして、高鳴る心臓に手を当てるのだった。
ゴウが人間の姿に戻ったら、自分はどうなってしまうのだろうか……?
それを考えて、芽衣の胸はさらに高鳴った。



熊のゴウ

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