夢@Asaheim
□君は妹
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俺には妹がいる。
血の繋がった妹ではなく、形だけの……。
俺よりも7つ年下で、いつもみつあみをしている。
食堂で働いていて、来た人に笑顔をふりまいている。
俺は妹が好きだった。
兄妹愛とかじゃなくて、それを超えた愛。
異性としての好き……。
そんな自分を戒めるつもりで、俺は恩田美奈と恋仲になったというのに……。
宮田の存在を分かってくれる妹のほうが、彼女と一緒にいるよりも心地よかった。
「みーやーたーせーんーせー?」
ふと名前を呼ばれ、ハッとする。
目の前で三角巾をした妹・芽衣が、ケタケタと笑っていた。
「お兄ちゃん、ぼうっとしすぎ。院長先生がそんなんじゃダメだよ?」
そう言いながら芽衣は、トレーの上に乗った最後の弁当を俺に差し出した。
病院ではいつも、食堂から弁当を頼んでいる。
芽衣会いたさに弁当を頼む奴らもいて、毎日たくさんの弁当がここに届くのだ。
「ふぅ。今日のお弁当配達、これで終了っと!!!」
笑顔で額の汗を拭う仕草をする芽衣。
ぐいっと目の前の芽衣を引っ張って、腕の中におさめた。
「ちょっとお兄ちゃん!!!毎日私を抱きしめるけど、私もう子供じゃないんだからねっ!!!」
「分かってるよ、そんなこと。けど芽衣は俺の大事な妹だから……。」
そう言いながら、俺は芽衣の体に触った。